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幻想世界を体感 ライトアップも 岩手・花巻 宮沢賢治童話村

童話や短編小説、詩で日本文学に大きな足跡を残した宮沢賢治。代表作「銀河鉄道の夜」などの世界を体感できるのが、出身地の岩手県花巻市にある宮沢賢治童話村だ。作品に登場する鉱物や動植物、星を紹介するほか、期間限定のライトアップイベントも実施する。現実と幻想が入り交じる作品の世界を「光るオブジェ」で表現している。

東北新幹線新花巻駅からバスに乗って停留所「賢治記念館口」で降り、少し歩くと「銀河ステーション」と書かれたレンガ造りの門が見えてくる。童話村の入り口で、「銀河鉄道」の主人公、ジョバンニらが銀河鉄道の列車に乗り込む駅をイメージしたという。

童話村は円柱と直方体の建物に鉄骨の「時計塔」を組み合わせたデザインの「賢治の学校」をメイン施設に、ログハウス風の建物が並ぶ「賢治の教室」で構成。童話に出てくる山野草が植えられた「山野草園」や「妖精の小径(こみち)」などの散策路もある。

賢治の学校は「宇宙の部屋」や「大地の部屋」など5ゾーンからなり、壁際にデザインの異なる白い椅子が置かれた白一色の「ファンタジックホール」が人気だ。一角には木の形をした壁の割れ目から夜のとばりが降りる街がのぞく幻想的な絵も描かれている。

鈴木和志・童話村所長は「賢治作品のような独特の空間で、撮影した写真をSNS(交流サイト)にあげる人が多い」と話す。

ログハウス風の「賢治の教室」は5棟あり、「石」や「鳥」など1棟ごとにテーマを設定。石の教室ではルビーなどの原石とともに、その鉱物が登場する童話の該当部分も抜粋して展示し、「石コ賢さん」とあだ名されるほど鉱物に詳しかった一面を紹介している。

こうした展示の一方で最近注目を集めているのが、夏から秋にかけて実施している「童話村の森ライトアップ」だ。2016年に賢治の生誕120年を記念して始めたもので、当初54基だった光るオブジェは、今年は92基にまで増え、10月末までだった開催期間も11月10日まで延長した。

賢治の学校の前には、童話「どんぐりと山猫」に登場する黄金のどんぐりをイメージしたオブジェを配置。山野草園や妖精の小径は「銀河鉄道」の「南十字」や「燐(りん)光の三角標」を思わせる作品で彩り、「幻想第四次」のイーハトーブの世界を演出している。

(盛岡支局長 青木志成 氏)f:id:kokoro-sukui:20190920170740j:plain

アクセス 最寄りの停留所「賢治記念館口」は東北新幹線新花巻駅からバスで3分ほど。賢治の学校の入館料は一般350円など。開館時間は午前8時半~午後4時半。ライトアップは期間中の金~日曜・祝休日の日没~午後9時に実施。タクシー利用が便利。9月28、29日は貸し切りイベントでライトアップは休止。