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パナソニック、吹田で高齢者見守るスマートタウン

家電で認知症検知など 

パナソニックは17日、大阪府吹田市に次世代技術を駆使した「スマートタウン」を設けると発表した。センシング技術を活用し、住民の認知症の兆候を早期発見するサービスなどを提供する。近隣で進む健康医療をテーマとした再開発エリア「北大阪健康医療都市(健都)」とも連携する。住民の健康寿命を延ばす仕組みの確立など次世代の街づくりのモデルケースを目指す。

22年春開業目標

2022年春に「Suitaサスティナブル・スマートタウン(SST)」の開業を目指す。パナソニック含めて計14社が参画する。ポンプや空調機などのコンプレッサーを製造してきた大阪府吹田市のパナ工場跡地約2万3千平方メートルを活用する。住宅供給戸数は365戸。サービス付き高齢者住宅(サ高住)やシニア向けの分譲マンション、ファミリー向け分譲マンションなどを設ける。

阪急オアシスの運営するスーパーなどが入居する複合施設も再開発エリア内に設ける。全体開発はパナソニックの住宅事業子会社のパナソニックホームズとJR西日本不動産開発が担う。

パナソニックが得意とするセンシング技術を駆使し、住人の健康を見守る。サ高住の部屋の内部に設置したカメラや家電製品のリモコン操作の履歴から認知症に特有の行動や操作などを検知し、住人の認知症の兆候の早期発見に取り組む。認知症の兆候が見つかった人を対象とした緩和プログラムも導入し、早期発見からケアまでのトータルでのサービス提供を目指す。

街中には高精細な「4K」の監視カメラを設け、パナソニックが得意とするカメラによる行動分析技術を活用。不審行動をする人や高齢者の転倒を検知するなどのセキュリティー面も充実させる。マンションのエントランスの解錠には顔認証技術を導入する考えだ。

パナソニックのスマートタウンは今回で3カ所目。いずれもパナソニックの工場跡地を活用している。これまでの2カ所は省エネルギーなどを主要テーマにしていたが、吹田では健康や医療を切り口とした。 

健都とも連携 

近隣にはJR東海道線岸辺駅に隣接する旧国鉄吹田操車場跡地で健康や医療をテーマにした再開発エリア「健都」(約30万平方メートル)が立地する。国立循環器病研究センター(国循)を核に、国立健康・栄養研究所吹田市民病院などが集積。循環器病の医療機器や創薬などの企業を誘致して研究開発するほか、住民の生活習慣病を予防する仕組みづくりを目指している。

パナソニックのスマートタウンは健都と連携する。パナソニックの技術を使って住民の健康状態などに関する情報を収集し、そのデータをもとに国循から健康づくりのアドバイスを住民に配信する仕組みづくりなどを視野に入れている。

健康医療都市の構築を主要政策に掲げる吹田市にとっても、今回のプロジェクトは街としてのブランド力アップにつながる。

吹田市後藤圭二市長は「街の全体の価値を向上させたい」と、パナソニックの街づくりへの参画を歓迎。同市の舟津謙一・健康医療審議監は「パナソニックと組むことで全国の企業が集まりやすくなり、発信力も高まる」と期待した。