瑚心すくいの地方創生が生き方を創っていく

高齢化社会と人口減少、地方創生の未来を考えます

ふるさと回帰支援センター特集[PR] 地方でかなえる、新たな暮らし 若者の働き方が変わる

地方移住を考える若手ビジネスパーソンが増えている。生まれ育った地域を元気にしたいというUターンや、都会と違った地方での生活に挑戦してみたいというIターンにあこがれる人が多いようだ。一方、「何から始めればいいのか」と、とまどう人も多いのが実情だ。地方への移住を考える清水さんご夫婦が東京・有楽町にある「認定NPO法人・ふるさと回帰支援センター」を実際に訪れてみた。

SNSより信頼性の高い情報が一カ所に

 首都圏在住で都内で働く、清水敦也さんと唯さんご夫婦。7月の週末、東京・有楽町の東京交通会館8階にある「ふるさと回帰支援センター」を訪れた。清水さん夫婦はこの1年ほど、地方移住を実現できないか情報を集めてきたという。

「1年ちょっと前に、センターで開催された移住セミナーに参加したことがきっかけで、まじめにUターンを考え始めました」(敦也さん)という。「出身地の山口県で起業したいと漠然と考えていたのですが、どこで情報を集めたらいいのか分かりませんでした。フェイスブックなど交流サイト(SNS)で探していたら、知り合いに『実際に地方移住した人の話が聞けるイベントが東京交通会館であるよ』と教えてもらって参加しました」(同)

地方移住を考える人にとって、まずどこで情報を手に入れたらいいのか分からないという悩みが多いようだ。センターを訪れた唯さんは「ここはアクセスがいいし、入りやすい雰囲気ですね」と話す。敦也さんも「SNSだと情報が本当かどうか分かりにくいですが、信頼できる情報が1カ所にまとまっている感じで、安心感があっていいと思います」とセンターの印象を述べる。

実際に訪れる人について、センターのエリア担当相談員の藤野さんに聞くと「漠然と、『どんなことをすればいいの?』と来られる方も多いですよ」という。「ネットやテレビ番組などで地方に移住した人の体験をみて、興味を持ったのでちょっと寄ってみた、と言う方もいらっしゃいます。『田舎暮らしにあこがれるけど、どの地方がいいか分からない』という方は私たちエリア担当員がお話をうかがいます」(藤野さん)と、気軽な気持ちで訪れてほしいと勧める。

初めてセンターに来た人は「現地の人とうまくやっていけるだろうか」「仕事が見つかるのか」など、様々な不安や質問を相談するという。藤野さんは「まず、現地での生活をイメージしてもらうために、自治体が主催するセミナーやツアーなどへの参加をおすすめしています」と語る。

センターは45道府県自治体と連携して、地域の情報を伝えるのが役目だ。8階の相談フロアには39道府県1市の相談ブースのほか、各地方の暮らしに関する情報を伝える資料コーナーなどがある。また地方での仕事に悩む人も多いが、「センターにはハローワークの地方就職支援コーナーもあり、常時2人の就職相談員もいるので、全国の求人情報を探すことができます。また、各道府県の人材紹介関連の組織を通じての求職支援も手がけています」(藤野さん)と、万全の支援体制が整っていることをアピールする。

■ちょっとした不安、相談員とのやりとりで解消

清水さん夫妻も最初は不安の方が大きかったようだ。敦也さんの出身地である山口県に興味があったので、セミナーに参加したが、「いざ具体的に考えはじめたら、仕事はあるの?ということと、夫の家族以外に知り合いがいないのでコミュニティーに入っていけるのかな、と色々不安がでてきました」(唯さん)という。

誰もがこうした不安を持つはずだ。センターでは相談者が気軽に参加できるセミナーやフェアなどを開催している(2018年実績539回)。ご夫婦はこうしたセミナーに参加した後に、センターに常駐している山口県の相談員とメールやSNSで情報のやり取りを続けたという。唯さんは「住みたい場所とか、買い物はどうしているのかとか、色々なことをフランクに相談しました」と振り返る。「例えば大きなデパートがあるのか、電車でどのくらい時間がかかるのか、日ごろの食材の買い物をどうしているのか、といった日常生活のことから、将来子どもができたら学校の送り迎えなどどうするんだろう、お母さん同士のつながりはあるんだろうか、といった地域社会の実情など、細かい不安を1つずつ相談して解消してもらいました」と語る。

敦也さんも唯さんも、移住した後に起業できればと考えているという。

そこで、自治体と相談員が一緒になり、ご夫婦の帰省するタイミングに合わせたオーダーメードのツアーを組んでくれたという。さらに、自治体が主催となる1泊2日の現地体験ツアーに参加して「実際に起業した人たちに会って話を聞けたことで、より具体的な仕事や生活のイメージができました」(敦也さん)と話す。

エリア相談員の藤野さんは「センターに足を運んでもらった後は、会社の休み時間や終業後に電話やメールなどで相談員とやりとりする方も多いですよ」と語る。清水ご夫婦のように地域にとけこめるか、などと生活への不安を感じる人も目立つという。「センターとしては地域の自治会に参加してみてはどうでしょう、とか、お子さんの教育を悩まれているご家庭には教育支援に積極的な自治体の制度をご紹介するとか、相談される方の事情やお考えに合わせてアドバイスしていきます」(藤野さん)

清水さんご夫婦は「住宅は借りた方がいいのか、家を建てた方がいいのか」(敦也さん) といった疑問や、「日常生活で車は不可欠だと思うけど……」(唯さん)といった不安について今後も相談していくという。ご夫婦は「こうして1つずつ不安や疑問を相談することで、何となく移住に前向きな気持ちになってきました」と明るい表情で語って、センターを後にした。